四季の短歌 2



■ 四季の短歌 2


 

短歌の無断転用は、原則禁止とします。

 

 

皇帝ダリア 散策路 2019/11/16撮影
皇帝ダリア 散策路 2019/11/16撮影

■ 杜鵑草(ほととぎす) 32


まだら美の色あざやかに杜鵑草花いつも触手のように伸び

 

 

秋の花咲く鎌倉長谷寺にて 

長谷寺の山門をくぐりすぐ前の庭園の池のほとりには、今年も濃赤紫の斑点が色鮮やかに杜鵑草が咲きひらいていました。花はいつも貝の触手が伸びているようにみえます。

 

杜鵑草(ほととぎす) 2017/10/23制作 鎌倉長谷寺
杜鵑草(ほととぎす) 2017/10/23制作 鎌倉長谷寺

■ 東慶寺の朝(とうけいじのあさ) 31


ひかり落ち花絡み逢う秋桜の東慶寺朝まだ二人きり

 

 

北鎌倉東慶寺を訪れました。

夏目漱石の参禅百年記念碑を右手に山門をくぐり、参道を進んださきの松ヶ岡宝蔵の前には、秋の秋桜が咲きみだれ、ひかり輝く朝の境内はまだ二人きりです。

 

東慶寺の朝(とうけいじのあさ) 2017/10/19制作 鎌倉東慶寺の朝の風景
東慶寺の朝(とうけいじのあさ) 2017/10/19制作 鎌倉東慶寺の朝の風景

■ 鎌倉文学館(かまくらぶんがくかん) 30


ぶらぶらと上りし坂の洋館は住み人わかる味がするよう

 

 

鎌倉文士ゆかりの鎌倉文学館を訪れました。

長谷観音前から由比ヶ浜大通りを進み文学館入り口を左に折れ 、翔鶴洞を抜けて上り終えると、そこには、古き洋館が建っていました。

 

鎌倉文学館にて(かまくらぶんがくかんにて) 2017/10/17制作
鎌倉文学館にて(かまくらぶんがくかんにて) 2017/10/17制作

■ 東慶寺の秋(とうけいじのあき) 29


黒蝶がふらふらと寄り曼珠沙華秋は東慶寺の時迅し

 

 

秋の東慶寺を訪れると、曼珠沙華が咲き群れ 、黒蝶が飛び交っていました。

東慶寺は時の速さを感じる寺です。

 

東慶寺の秋(とうけいじのあき) 2017/10/01制作
東慶寺の秋(とうけいじのあき) 2017/10/01制作

■ 初夏の風景(しょかのふうけい) 28


野鳥飛び百日紅咲く川辺には初夏の翡翠を狙いし人も

 

 

野鳥が飛び交う川辺には、

百日紅の花が咲き、翡翠を狙うカメラマンの人々も行きかいます。

 

初夏の風景(しょかのふうけい) 2017/07/24制作
初夏の風景(しょかのふうけい) 2017/07/24制作

■ 磊落の夏(らいらくのなつ)27


唐きびを売りし翁の初雪草我が磊落の夏はじまりて

 

 

夏が近づくと、畑では初雪草が咲き、おじいさんが唐きび売りをはじめます。

そして今年もらいらくな夏が始まります。

 

磊落の夏(らいらくのなつ) 2017/07/23制作
磊落の夏(らいらくのなつ) 2017/07/23制作

■ 向日葵(ひまわり) 26


向日葵が咲き始むころ空ふかく今年も長閑色透きとほり

 

 

ひまわりが咲き始まるころ、

空はいつも透き透りのどかな色合いに満ちていきます。夏来たりの色かな。

 

向日葵(ひまわり) 2017/07/14制作
向日葵(ひまわり) 2017/07/14制作

■ 半夏生(はんげしょう) 25


梅雨晴れの半夏生みて仰ぎみるそら三渓の三重塔

 

 

三溪園の池沿いに咲く半夏生の花をみて、空の彼方を見上げると、そこにはいつも三渓の三重塔が綺麗に見えます。

 

半夏生(はんげしょう) 2017/06/23制作
半夏生(はんげしょう) 2017/06/23制作

■ 夏兆すころ(なつきざすころ) 24


夏兆す朝の河原をゆきゆけば香にながるるはブオブオの蛙

 

 

夏が兆すころに河原をぶらぶらと歩いていると、

牛蛙のブオブオという声が聞こえてきます。夏の香りのように。

 

夏兆すころ(なつきざすころ) 2017/05/24制作
夏兆すころ(なつきざすころ) 2017/05/24制作

■ 鎌倉美人(かまくらびじん) 23


コロコロと鈴なり美人すれ違い鎌倉の路ふと振り返り

 

 

鎌倉の路を歩いていると、ときどき着物姿の美人とすれ違うことがあります。

コロコロとなる鈴の音につられて、私はふとふりかえってしまいます。

 

鎌倉美人(かまくらびじん) 2017/05/11制作
鎌倉美人(かまくらびじん) 2017/05/11制作

■ 海を眺めて(うみをながめて) 22


山ノ手の外人墓地のブラフから海を眺めて春ながれ舞い

 

 

山ノ手の外人墓地のブラフ公園から海を眺めると春の風を、

桜舞のように感じてしまいます。

 

外人墓地のブラフから(がいじんぼつのぶらふから) 2017/04/08制作 横浜外人墓地にて
外人墓地のブラフから(がいじんぼつのぶらふから) 2017/04/08制作 横浜外人墓地にて

■ 外人墓地(がいじんぼち) 21


木蓮や外人墓地へゆく道はブラフの春をのぼりのぼりて

 

 

外人墓地へ向かう道は、紫木蓮が咲き、ブラフ公園の春を満喫しながら、山ノ手の文学館へ上ります。

 

外人墓地(がいじんぼち) 2017/04/08制作 アメリカ山公園
外人墓地(がいじんぼち) 2017/04/08制作 アメリカ山公園

■ 結婚記念日(けっこんきねんび) 20


結婚三十八年の日は花菜いつもの二人春日和なり

 

 

結婚三十八年の日。

小川には花菜が一杯に咲き誇り、いつもの二人。

これからも春日和のように。

 

結婚記念日(けっこんきねんび) 2017/04/01 制作 花菜咲く散策路
結婚記念日(けっこんきねんび) 2017/04/01 制作 花菜咲く散策路

■ 木蓮の花散りしころ(もくれんのはなちりしころ) 19


木蓮の花はらはらと散りしころ今亡きひと何故か思い出し

 

 

木蓮の花が散るころには、いつも今は亡き家族のことを思い出します。

木蓮のはらはら感のせいかな?

 

木蓮の花散りしころ(もくれんのはなちりしころ) 2017/03/26制作 庭の木蓮
木蓮の花散りしころ(もくれんのはなちりしころ) 2017/03/26制作 庭の木蓮

■ 手ぶら人生(てぶらじんせい) 18


人生の六十七を手ぶらにし身軽に生きて春たちにけり

 

 

六十七才のリタイアの日。

人生の手ぶら感を満喫し、また一から生きる春が来たような。

 

手ぶら人生(てぶらじんせい) 2017/02/10制作 散策路の白梅
手ぶら人生(てぶらじんせい) 2017/02/10制作 散策路の白梅

■ 木蓮(もくれん) 17


木蓮の花咲く頃に故郷は雪舞い降りて白銀世界

 

 

木蓮の花が咲くころ、北国の故郷はいつも雪のなかです。

今年も雪の降り積もる銀世界かな?

 

木蓮(もくれん) 2017/03/11制作 庭の白木蓮
木蓮(もくれん) 2017/03/11制作 庭の白木蓮