四季の短歌 4
短歌の無断転用は、原則禁止とします。
静かなる沢蝉しぐれ夏の日の二頭の蜻蛉秋をむかえし
皮剥ぎて空に伸び往く若竹を眺めて初夏の風香を感じ
追憶の五月雨降り息をとめ静寂の糸ただ見つめをり
凍てつきぬ畔の小鷺に息をとめ痺れる指は初撮りの朝
蜻蛉きて羽根をひろげし梅雨の間にくる夏の日はまだコロナ禍や
夏椿君恋ゆるほど懐かしく初夏の香りを梅葉に隠し
コロナ禍の君と過ごせし故郷の吾子も帰らぬ初春の朝
コロナ禍の蝉声弱くウズウズと晴れぬ合間の長梅雨の風
花嫁と吾子の幸せ祈りつつ見やる神楽は浦安の舞
なにげない倦怠の朝はそら色にウロコ雲みて我息を吸い