四季の短歌 4



四季の短歌 4


 

短歌の無断転用は、原則禁止とします。

 

 

木瓜の実 散策路 2019/07/02撮影
木瓜の実 散策路 2019/07/02撮影

■ 端午の日(たんごのひ) 59


おのこ去り端午の兜小さくも想いは遠く赤夕化粧

 

 

二人の男の子も去り、今年も、兜飾りは小さいミニュチア兜になってしまいました。

子供と過ごした端午の節句に想いを馳せていると、道端にはひっそりと赤花夕化粧が咲いていました。

 

端午の日(たんごのひ) 2023/05/05制作 
端午の日(たんごのひ) 2023/05/05制作 

■ 二頭の蜻蛉(にとうのとんぼ) 58


静かなる沢蝉しぐれ夏の日の二頭の蜻蛉秋をむかえし

 

 

蝉しぐれの夏の日、静かな緑道の沢で二頭の蜻蛉が止まっていました。

まるでこれから秋を迎えるような。

 

二頭の蜻蛉(にとうのとんぼ) 2022/08/20制作
二頭の蜻蛉(にとうのとんぼ) 2022/08/20制作

■ 初夏の風香を(しょかのかぜかを) 57


皮剥ぎて空に伸び往く若竹を眺めて初夏の風香を感じ

 

 

親水緑道の若竹が、皮を剥ぎとりながら伸びて往きます。

そんな若竹を眺めていると、初夏の風香をすごく感じてしまいます。

 

初夏の風香を(しょかのかぜかを) 2022/06/08制作
初夏の風香を(しょかのかぜかを) 2022/06/08制作

■ 原風景・五月雨(げんふうけいさつきあめ) 56


追憶の五月雨降り息をとめ静寂の糸ただ見つめをり

 

 

小学生の追憶の原風景を絵にしました。

追憶の中の私は、五月雨が降り続く様子を、息を止めて見つめていました。

ただただ静寂の糸を追うように。

 

原風景・五月雨(さつきあめ) 2022/03/13制作
原風景・五月雨(さつきあめ) 2022/03/13制作

■ 凍てつきぬ(いてつきぬ) 55


凍てつきぬ畔の小鷺に息をとめ痺れる指は初撮りの朝

 

 

正月2日の初撮り。

凍てついている池の湖畔に小鷺が佇んでいます。

カメラのシャッターを押す指はすでに寒さで痺れてきました。

 

凍てつきぬ(いてつきぬ) 2022/01/02制作
凍てつきぬ(いてつきぬ) 2022/01/02制作

■ 羽黒蜻蛉(はぐろとんぼ) 54


蜻蛉きて羽根をひろげし梅雨の間にくる夏の日はまだコロナ禍や

 

 

緑道の沢で、梅雨の合間に蜻蛉が羽根をひろげて止まっています。

これから訪れる夏は、まだまだコロナ禍かな。

 

羽黒蜻蛉(はぐろとんぼ) 2021/07/10制作
羽黒蜻蛉(はぐろとんぼ) 2021/07/10制作

■ 夏椿(なつつばき) 53


夏椿君恋ゆるほど懐かしく初夏の香りを梅葉に隠し

 

 

夏椿をみると、懐かしき日々を感じてしまいます。

初夏の香りが梅の葉に隠れて匂ってくるような。

 

夏椿(なつつばき) 2021/06/09制作
夏椿(なつつばき) 2021/06/09制作

■ 初春の朝(はつはるのあさ) 52


コロナ禍の君と過ごせし故郷の吾子も帰らぬ初春の朝

 

 

まだまだ続くコロナ禍で、我が子も帰れない初春の日々。

そんなコロナ禍の朝を、君と二人だけで過ごしています。

 

初春の朝(はつはるのあさ) 2021/01/02制作
初春の朝(はつはるのあさ) 2021/01/02制作

■ コロナ禍の長梅雨(ころなかのながつゆ) 51


コロナ禍の蝉声弱くウズウズと晴れぬ合間の長梅雨の風

 

 

コロナ禍が続く長梅雨の日、蝉声も弱くまだ夏はこれからです。

時々梅雨の合間に吹き抜ける風に、夏の近さを感じています。

 

コロナ禍の午後(ころなかのごご) 2020/07/21制作
コロナ禍の午後(ころなかのごご) 2020/07/21制作

■ 浦安の舞(うらやすのまい) 50


花嫁と吾子の幸せ祈りつつ見やる神楽は浦安の舞

 

 

我が子の結婚式です。

花嫁と我が子の幸せを祈りながら見つめていると、式はもう最後の儀に入り、

神子さんが、神楽の「浦安の舞」を踊っていました。厳粛な結婚式でした。

 

浦安の舞(うらやすのまい) 2019/11/20制作 静岡縣護国神社
浦安の舞(うらやすのまい) 2019/11/20制作 静岡縣護国神社

■ 倦怠の朝(けんたいのあさ) 49


なにげない倦怠の朝はそら色にウロコ雲みて我息を吸い

 

 

倦怠が続く朝は、空のうろこ雲をみて深呼吸をして気持ちを高揚させます。

何気ない朝の呼吸法。

 

倦怠の朝(けんたいのあさ) 2019/10/14制作  散策路の朝
倦怠の朝(けんたいのあさ) 2019/10/14制作  散策路の朝