藤の花(ふじのはな) ・ 文目(あやめ)
●藤の花(ふじ)長谷寺・光則寺
藤は、マメ科の つる性落葉木本です。紫や白、ピンクの房状の花が垂れ下がって咲きます。5月の風に乗って長い花房を揺らし、甘い香りを漂わせるフジの美しい花は、古くから愛されてきました。美しく垂れるフジの姿は、振袖を着た女性を思わせる姿です。古くから、日本では「フジ」を女性、「マツ」を男性にたとえて、フジやマツを近くに植える習慣があったそうです。フジの花の色は淡い紫色で、「藤色」の言葉もここからついたようです。
万葉集の中にも、フジは多く出てきます。苗字に「藤」の漢字がつく藤原隆盛や、フジのふんわりとした芳香などにより平安時代を中心に愛されていた色が「藤色」です。
藤の花言葉の由来は、藤がつる性の植物で、他の植物などにしっかりとつるを巻きつけて育つことから「決して離れない」という花言葉になったそうです。
開花時期は、4~6月。
●文目(あやめ)長谷寺
アヤメは、山野中の草地に自生する植物です。紫色をした独特の花姿が印象的で、生け花の花材などとして古くから親しまれてきました。
名前の由来は、葉っぱが並列に立っている姿が、木目に合われる「文目」という模様を思わせることからと言われています。草丈30~60cmに生長し、高く伸びた茎の先に1~3輪花を咲かせます。花びらは中心に6枚、外側に3~4枚あり、反り返って独特の形をしています。花の付け根は色が薄くなっており、網目が入っていることが特徴です。葉っぱは細長く、まっすぐ立つように生えています。
花言葉は、「よい便り」「メッセージ」「希望」。
開花時期は、4~6月。